未完

どうやらグインサーガは 129巻までは執筆が終わっていたようだ(130巻の執筆が終わっていたかどうかは不明)。もっとも、近刊までちゃんと読んでいる人なら、あと3〜4巻で話が大して進むとは誰も思ってないだろうし、作者があと10年生きていたとしても、きっと終わってなかっただろう(10年経っても先が見えないまま、ダラダラと話が続いていた気がする)。

あちこちの反応を見ていると、栗本薫女史に追悼の意を述べている人と、グインサーガが(未完のまま)終わってしまったことに哀惜を感じても作者には…という人に分かれているように思う(私は前記事にも書いたように後者)。そして、その反応はずっとグインサーガを今に至るまで読み続けているかどうかで分かれているような気がする。

もちろん、ずっと最新巻まで読み続けている人でも前者の思いを述べている人は少なくないけれど、途中から話が間延びして明らかに質も落ち、ファンタジーのはずなのが 801同人誌みたいなストーリーに堕ちていった中でも我慢して読み続けていた人は、複雑な後者のような思いを抱く人が多いように見えた。

逆に、以前は読んでいたが途中でリタイアしたり、興味があるけど完結したら一気読みしようなどと思っていた人、アニメその他で最近読み始めた人は、概ね前者の反応ばかりだ。ましてや、先々を読み続けてもいないのに、完結までの流れは元からできていたのに惜しい、とか言ってる人をみると、読んでから物を言えよ…と思わざるを得ない。

別に100巻と言ったからといって100巻で完結させる必要はないのは言うまでもないが、途中から最新巻に至るまでロクに話が進まず、グインは記憶喪失のまま放置プレイで終わり、あっちの話もこっちの話も放置プレイのままでは、外伝を含めて今まで 150巻近い本を読んできた人間には悪い後味しか残らない。それでは残念と言う言葉すら出てこない。