EURO2008 スペイン優勝

素晴らしいサッカーをするチームが素晴らしい結果を残して、本当に良かった。スペインの試合は見ていて時間を経つのを忘れさせてくれる、未明の試合でも眠気を起こさせないサッカーだった。1次リーグでのオランダも凄かったし、ロシアも準々決勝までは良いサッカーをしていたが、スペインのサッカーは格好良いという言葉が一番似合うサッカーだった。

ややもすると、華麗なパスワークからの攻撃ばかり注目されるけど、カシージャスを中心とする守りも素晴らしいものだった。特に左サイドのセルヒオ・ラモスは凄い。もちろん、イニエスタ、シャビ、シルバ、アロンソといった中盤の速いパス回し、そして飛び出しと、そこへの速いスルーパス。ロシア戦なんか完全に見とれてしまうくらいだった。

EURO を見ると日本代表の試合やJリーグの試合が本当にショボく見えてしまうが、ただ単に「欧州サッカーを見てると日本のサッカーなんか見る気しないね」なんて斜に構えず、その違いを見据えつつも日本のサッカーも応援したいと思う。まぁ「オレは邦楽は聴かない」「オレは日本車なんか乗らない」という人もいるから否定はしないけど(同じことだ)。

スペインやオランダのサッカーは(個人技に差がありすぎるとしても)日本サッカーが学ぶべき点は多いと思う。体格が決して良いとは言えないスペイン(それでも日本人とは比較にならないけど)が、体格負け、あたり負けせずに展開で攻略して行き、速いパス回しと攻撃で相手の体力を奪う戦略(自らは体力負けしない)。

日本の伝統的な決定力の無さを補うためにも、スペインの2列目4人でパス交換しながら突破して行く攻撃、2列目から裏へ抜け出すタイミングの良さ(センスもあるんだろうけど)、そしてスルーパスの速さ。ほんの少しでも日本にあれば、と思う。

日本代表だけでなく、J屈指のパスサッカーを展開するガンバもそうだ。トラップやパスの正確性だけでなく、前へ進む姿勢の違いは確実にある。横後ろのパスではなく、前へ進むパスと状況に応じてドリブル突破する姿勢。代表だと松井あたりが入って少し変わりつつあるけど、ガンバもパスだけでなく突破する変化がもっとあればなぁ…と思ったり。

ともあれ、本当に楽しく、良いものを見せてもらった EURO2008 だった。CL でもそうだったけど、欧州のサッカーは確実に新しい流れができてるよなぁ…

スペインが44年ぶり優勝/欧州選手権